今回は危険物の運搬についておさらいします。
前回の記事:ガソリンの運搬を頼まれたので、危険物の取扱についておさらいしてみた。
ガソリンの運搬とは
移送と運搬の違い
運搬とは、車両(乗用車やトラックなど)によって危険物を輸送することをいいます。
移送とは、(タンクローリー)によって危険物を輸送することをいいます。
どちらも輸送することには違いはありませんが、危険物取扱者の免状が必要でない場合もあります。
運搬に必要な資格
タンクローリーで危険物を移送するには、
危険物取扱者の資格を持った人の同乗が必要で免状の携帯が必要です。
今回頼まれた危険物の運搬のみならば、
危険物取扱者の資格を持っていなくても行うことができます。
ただし、必ず消防法によって定められた容器に定められた方法で
危険物を入れたものでなくては運搬できませし、危険物の積み下ろしの際に、
指定数量を超えた場合は危険物取扱者が立ち合う必要があります。
指定数量
指定数量抜粋表
類別 | 品名 | 性質 | 主な物品 | 指定数量 |
---|---|---|---|---|
第4類 | 特殊引火物 | ― | ジエチルエーテル 二硫化炭素 |
50L |
第1石油類 | 非水溶性 | ガソリン | 200L | |
水溶性 | アセトン | 400L | ||
アルコール類 | ― | メチルアルコール エチルアルコール |
400L | |
第2石油類 | 非水溶性 | 灯油 軽油 |
1000L | |
水溶性 | 2000L | |||
第3石油類 | 非水溶性 | 重油 クレオソート油 |
2000L | |
水溶性 | 4000L | |||
第4石油類 | ― | ギヤー油 シリンダー油 |
6000L | |
動植物油類 | ― | 10000L |
今回運ぶガソリンの指定数量は200Lで、運搬量はそれ以上なので危険物の積み下ろしの際に、
危険物取扱者の資格が必要です。
危険物を運ぶ際の規制
危険物取扱者の資格が必要ない指定数量以下でも消防法に基づいた危険物の運搬の仕方があります。
運搬容器の基準
- 容器の材質は鋼板、アルミニウム板、ガラスなど危険物と反応しないものを用いる。
- 堅固で破損する恐れがないものを用いる。かつ、収納された危険物が漏れるおそれがないものでなければならない。
容器の外部に必要な表示
- 危険物の品名
- 危険等級
物品の危険性に応じてⅠ、Ⅱ、Ⅲの3段階に区分したもの。Ⅰが最も危険。 - 化学名
- 水溶性か否か(水溶性の第4類危険物のみ)
- 数量(何Lかまたは何kgか)
- 注意事項(火気厳禁、火気注意など)
今回はガソリンなので
- 品名:第一石油類
- 危険等級:危険等級Ⅱ
- 化学名:ガソリン
- 数量:容器に合わせた数量
- 注意事項:火気厳禁
運搬方法
- 危険物を収納した運搬容器に摩擦や動揺を起こさないようにする。
- 指定数量以上の危険物を運搬する場合は、
『危』(0.3m四方・黒字に黄文字)の標識を車両の前後に掲げる。
消火器等の消火設備を備える。
休憩等により車両を一時停止させる場合は、安全な場所で停車する。 - 運搬容器は、収納口を上に向けて積載する。
- 容器の積み重ねは、高さ3m以下になるようにする。
- 液体の危険物は、内容率98%以下の収納率にする。
さらに、55℃の温度でも液が漏れないように十分な空間容積をとる。
混載禁止
- 指定数量以下の場合
高圧ガスとの混載禁止 - 指定数量10分の1以上の場合
高圧ガスとの混載禁止
類を異にする物品の混載禁止 - 指定数量以上の場合
高圧ガスとの混載禁止
類を異にする物品の混載禁止
以上のような規制がありますが、混載可能な組み合わせもあります。
第一類 | 第二類 | 第三類 | 第四類 | 第五類 | 第六類 | |
第一類 | × | × | × | × | 〇 | |
第二類 | × | × | 〇 | 〇 | × | |
第三類 | × | × | 〇 | × | × | |
第四類 | × | 〇 | 〇 | 〇 | × | |
第五類 | × | 〇 | × | 〇 | × | |
第六類 | 〇 | × | × | × | × |
備考 ×印は、混載禁止 〇印は、混載可能 指定数量の1/10以下の危険物については、摘用しない。
表以外の覚え方として
「類の数を足して7になる組み合わせは混載できる。」
「危険物4類は、足して6と9になる組み合わせは混載できる。」
という覚え方もあります。
まとめ
安全な容器に入れて、必要な表示をし、無理なく運ぶを心がけて運搬したいと思います。
ちなみに、乗用車でガソリンを運ぶときは必ず22L以下のガソリン携行缶で運搬しましょう。
ポリタンク、ペットボトルなどは危険です。ダメ、絶対!
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